建築士事務所開設後の義務
建築士事務所開設後の義務としては、ここまでご紹介してきたように事業年度終了後の年次報告や、5年ごとの更新手続きなどがありますが、ほかにも再委託の制限、帳簿・図書の保存、標識の掲示など、様々な義務が課せられます。
再委託の制限
建築士事務所では、委託を受けた設計・工事監理業務を建築士事務所の開設者以外に再委託することは禁じられています。
また、3階以上の共同住宅で、床面積が延べ1000㎡以上におよぶ建物の新築工事に関しては、委託者の承諾を得た場合においても、ほかの建築士事務所開設者に業務を丸投げすることは制限されています。
帳簿・図書の保存
建築士事務所登録を行った者は、業務台帳や設計図書、工事監理報告書などの書類を、作成日から15年間保存する義務が課されています。
標識の掲示
建築士事務所を開設した際には、事務所内の見やすい場所に、縦25cm以上、横40cm以上の標識を掲示することが義務付けられています。
書類の閲覧
建築士事務所登録を行った者は、下記の書類を3年間保存し、業務の依頼者から書類閲覧を求められた場合はそれに応じることが義務付けられています。
・建築士事務所としての業務実績
・所属建築士の氏名および業務実績
・国土交通省令において規定された事項を記載した書類
・業務上の損害を補償するための保険に関する書類
重要事項の説明
建築士事務所登録を行った者は、設計または工事監理業務の契約を結ぶ前に、依頼者に対して以下の重要事項を書面にて説明することが義務付けられています。
・設計図書の種類
・工事と設計図書の照合方法
・工事監理状況の報告方法
・業務にあたる建築士の氏名など
・報酬の額および支払い期日
・契約解除に関する事項
・その他建築士法施行規則に規定された事項
書面の交付
建築士事務所登録を行った者は、業務の受託を行った際に、以下の事項を記載した書面を当該委託者に交付することが義務付けられています。
・受託業務の種類、内容、実施期間、方法
・報酬の額および支払い期日
・契約解除に関する事項
・事務所の名称および所在地
・契約年月日
・契約先の氏名(名称)
・業務にあたる建築士の氏名
・業務の一部を委託する場合は、委託する業務の概要および受託者の氏名・名称・所在地など
立入検査への協力
建築士事務所登録を行った者は、立入検査への協力が義務付けられています。なお、正当な理由なく協力を拒んだ場合は罰則の対象になる場合があります。